ピレリはF1にふさわしくない

今日はF1関連の話を書きます。
本当はF1モナコグランプリ終了直後に書きたかったのですが、タイミングが合わず書けませんでしたが、さかのぼって整理して書きたいと思います。


ピレリは2011年よりF1にタイヤを提供しています。
あくまで個人的な意見ですが、ここ最近の問題を見ていると、ピレリはF1から出ていって欲しいと思います。


ピレリのタイヤは摩耗が激しいです。
これは摩耗が激しくあまり持たなくすることにより、エンターテイメント性が高くするためです。
これはピレリが単独で決めたことでは無くFIAからの要望でもあるのでこれは良いでしょう。
もちろん、こういう方法には賛否両論もあると思います。
個人的にも色々思うところはありますが、全チーム同じタイヤを利用するわけでイコールコンディションですから、問題は無いと思います。
ワンメイクだからこそ出来ることですし、全チームには、ピレリからデータも提出されているし、シーズン前のテスト等で新しいタイヤを試せるわけで、このタイヤに合う車作りをすることが重要になるわけでマイナス面ばかりでは無いと思います。


ピレリは、2011,2012年は比較的問題なく上手くいっていたと思います。
問題は今シーズ2013です。


シーズン当初から、タイヤが持たなすぎで、ピットストップが多いです。
これに対して多くのチームからクレームが来ています。


スペインGP終了後

ヘンベリー「ピレリの目標は毎レース2〜3ストップ」
2013.05.13


2013年スペイングランプリ 決勝


アロンソ、終始プッシュし、ホームグランプリで優勝を果たす


2013年5月12日、バルセロナ


 2度の世界王者に輝くフェルナンド・アロンソが、3ストップ戦略を採ったロータスキミ・ライコネンを抑え、4ストップ・スプリント戦略でホームグランプリを制しました。
(中略)
ピレリモータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「スペイングランプリでは、またしても戦略が主要な役割を演じました。いつものように、このサーキットのユニークな特性によりタイヤにとって非常に厳しいレースとなりました。これは、今後のレースではおそらく見られないような高いデグラデーションレベルのためです。我々の目的は、各レースでの2〜3回のストップですから、4回のストップが多すぎることは明らかです。過去に1度だけ、我々がFormula Oneに復帰した年のトルコで4回のストップを経験しています。我々の目的を維持し、あらゆる問題を迅速に解決するため、シルバーストンまでに若干の変更を行うことになると思います。
(後略)

この時点では、ピレリ自身もタイヤが持たないことを認め、2〜3回のピットストップが理想だと発言しています。
そうでしょうね。
ぶっちゃけ、今年のタイヤの設計を失敗したわけで、その事をピレリも認識しているわけです。


ところが、ピレリへの風当たりが強いのか、翌日にこんな発言が・・・

「望むなら退屈なレースへ戻す」とピレリ
2013.05.14


 ピレリは、チームとファンが望むのなら、以前のような退屈なレースへ戻すことに協力すると語った。


 現状のピレリタイヤがレースにおよぼす影響について、さまざまな議論がなされている一方、レッドブルのボスであるディートリッヒ・マテシッツは、「もはやレースとは関係ない。タイヤマネジメントの競争だ」と述べ、ピレリタイヤを厳しく批判した。
 しかし、当のピレリは求められたことを行っているだけだと、繰り返し主張している。


 ピレリが2011年に復帰した時、彼らは、2010年のカナダGPのようにショーにスパイスをきかせ、デグラデーションの高いラバーで複数回のピットストップが起こるレースを作り出すよう求められた。


 同社のテクニカルディレクター、ポール・ヘンベリーは、ピレリが批判に直面していることを理解しているが、根本的なオーバーホールを実施するには、チームやファンが望むことを正確に把握する必要があると考えている。
「何を望んでいるのか? 我々は2〜3回のピットストップと、(2010年の)カナダGPの再現を求められたんだ」
「一部の人々は、タイヤに起因しない1ストップのレースを望んでいることを知っている。それがレースに望むものだというなら、予選のポジションが最終順位になるような行列のできるレースに戻すことができる。何を望んでいるのか? 言ってくれれば、我々はそうするよ」


 ピレリは、2011年のF1復帰以降、特に変わったことはしていないと述べ、タイヤの状況にこれほど意見が集まることに困惑している。
「単に過去2年やってきたことをしているまでだ。すこし奇妙だし、あなたたちメディアがそこまで興奮していることも理解できない」


 彼らは、タイヤを変更することでチャンピオンチームのレッドブルがアドバンテージを得ることを強く懸念している。
「それはかなり明らかだと思う。変更によって、アドバンテージを得るチームがひとつある」
 レッドブルRB9は、今季のF1マシンで最も多くのダウンフォースを獲得していると広く考えられているが、タイヤに多くのストレスを強いるため、現状はベストなパフォーマンスを引き出せないでいる。

「望むなら退屈なレースへ戻す」
なんだ、この発言。
何で逆ギレなのでしょう。
「言われた通り作っているだけだ! 何が悪い!」
と言いたいのでしょうけれど、スペインGP終了後の発言通り、ピットストップが多すぎることは自覚しているし、その原因はピレリのタイヤです。


問題はシーズン中にタイヤを作り直すことが正しいかどうかです。
確かにタイヤは持たないし、それはピレリが(そしてFIAが)望んでいた状態では無いでしょう。
それでも、2013年のタイヤはこれだと言われ、それに合わせ車を作ったチームもあるわけです。


真面目に頑張ったチームから不満も出ます。

ロータスピレリタイヤの変更は不公平」
2013.05.15


 ロータスは、ピレリがシーズン途中でF1タイヤを変更することはタイトル争いにおいて不公平につながると主張している。
 2013年のタイヤは耐久性がないと一部チームから不満が出ており、走行中のタイヤトラブルも頻発している。
(中略)
「ある意味フェアではないと思う」とロータスのチームプリンシパル、エリック・ブーリエは述べた。


「我々としてはいつもどおり対処していくしかないが。皆同じタイヤを使うのだからね」


 ブーリエは、タイヤに不満を表すチームは単に自分たちがうまく状況に対応できていないだけだと主張している。
「問題はタイヤではない。我々は(うまくタイヤが使えるよう)クルマに対策をしている」
「皆、条件は同じだ。ここ(スペイン)では一番不満を言っていたチームを喜ばせるような変更が(ハードコンパウンドに)なされた」
(後略)

不公平避けられず? 次戦のタイヤ変更に強い反発
2013.05.25


 ピレリはカナダGPでタイヤを変更することを希望しているが、一部チームが難色を示し、フォース・インディアははっきりと反対の意を表している。


 今季のタイヤはデグラデーションが高く、何度かデラミネーションのトラブルも見られている。スペインGPで4回ストップが主流となった後、ピレリはタイヤ交換の回数を減らすためにカナダからタイヤを変更すると表明した。


 しかしデグラデーションを軽減しピットストップの回数を減らすための変更はレギュレーションに反するものであり、FIAピレリに対し、安全性の確保のみを目的とした変更を行うよう指示した。


 そのためピレリは、デラミネーションの問題再発を防ぐためにリヤタイヤのスチールベルトを昨年末まで使用していたケブラーのものに変更することを考えており、全チームの同意を得ようとしている。


 しかしリヤタイヤのスチールベルトの変更により作動温度領域が下がり、メルセデスなど現在リヤのオーバーヒートに苦しむチームが有利になり、チームの力関係が変化する可能性がある。そのため、今のタイヤをうまく使えているロータスフェラーリはタイヤの変更に対して慎重な姿勢を示し、今季非常に好調なフォース・インディアははっきりと否定的な意見を表している。
(後略)

当然ですね。
今年のピレリタイヤは誰が見ても失敗作です。
多くのチームから不満は出るでしょう。
確かにタイヤは持たないけれど、レースが出来ないほどでは無いわけです。
しかし、2013年のタイヤはこれですよと言われ、一生懸命車を作ってきたチームからすれば、納得がいかなくて当然です。
ピレリは間違いを犯しましたが、起きてしまったことは仕方が無いので、この失敗を今後に活かして、今年はこのままにしておくのが正しいと思います。



ここまでは、

  • ピレリは今年のタイヤ設計に失敗した
  • タイヤが持たずピットストップが多い
  • ピレリ自身もそのことを認めている
  • 多くのチームから不満が出る
  • なぜか逆ギレで、言われた通りやってるだけだが、望むなら元に戻して退屈なレースをしろ発言
  • 今シーズン中にタイヤ変更をするという流れ
  • 今年の失敗タイヤに合わせて真面目に車を作ったチームから不満

と言うことです。


人間がすることなので失敗はあります。
個人的にはシーズン中にタイヤを変更することはどうかと思いますが、全チームが納得するのならば、変更もやむ無しでしょう。



ところが、モナコGP直前に大問題が発生です!

メルセデスに疑惑、ピレリと極秘テストを実施
2013.05.26


 F1モナコGP決勝を前にメルセデスチームに疑惑が向けられている。彼らが、スペインGPの後に1000kmにおよぶタイヤテストを行っていたことが明らかとなった。


 土曜の予選で4戦連続となるポールポジションを手にしたメルセデスだが、これまでの3レースでは、決勝のタイヤマネジメントに苦しみ、優勝争いに絡むことができていない。


 そうしたなか、彼らが前戦スペインGPの終了後に、トータル1000kmにもおよぶタイヤテストを行っていたことが明らかとなった。このテストは天候不順もあり3日間にわたって実施され、レースドライバーのルイス・ハミルトンニコ・ロズベルグが参加して行われた。


 2014年はシーズン中のテストが禁止されているが、今回はタイヤサプライヤーピレリが、ここ数戦で抱えた問題を解決するためにメルセデス側にテストを要請したと考えられている。
(後略)

ピレリはタイヤ改良のため、現行のF1マシンでテストをしたかったのでしょう。
それは理解できます。


しかし、シーズン中にテストが禁止されているF1で、特定のチームだけに1000kmもテストをしたら、それは余りに公平性に欠けるでしょう。
ピレリは、今後変更されるであろうタイヤをメルセデスだけにテストさせたわけでは無いと言ってますが、シーズン中に1000kmも走れたら大量のデータ収集も出来るし、それはメルセデスにとって有利でしょう。


そして、モナコGPは、メルセデスの優勝。
何とも後味の悪い。
当然、他のチームから不満の声が。


なぜ、ピレリメルセデスにテストさせたのか。
それがメルセデスに有利になると思わなかったのか?


例えば、自国のフェラーリを勝たせたいがためにシーズン中に単独テストを行った。決して良いことではありませんが、理由はわかります。
チームからお金を貰ってテストをさせた。これも良いことではありませんが、理由はわかります。


でも、そういうことではなさそうです。

  • タイヤの設計は失敗だった
  • 直したい
  • 直すにはテストが必要

という短絡的な理由しか見えてきません。


モナコGP後には

ピレリ、タイヤテスト問題に関する声明を発表
2013.06.02


ピレリ:タイヤテストはいかなるチームを優遇したものではない


・今年行われたタイヤテストの目的は2014年用タイヤの開発
ピレリは、テスト用に2013年型マシンを要求しておらず、2013年型メルセデスマシンの使用はチームとFIA間の協議により決定された
・タイヤ開発の基本は適切なテスト・デラミネーション問題は、ピレリの技術者がラボラトリーで解決
・トラック上でのテストによるものではない
ピレリFIAに対し、カナダグランプリに持ち込まれる試験型タイヤはどのドライバーも試したことがないと回答
(後略)

頭がおかしいのでしょうかね?
シーズン中に特定のチームだけとしちゃダメですよ。


このテストに対してFIAからも意見が出ています。

2013年車でのタイヤテストは平等条件の有無が鍵
2013.05.27


 FIAは、メルセデスのタイヤテスト問題に関し、ピレリが同様のテスト機会を全チームに提供した場合に限り、現行マシンの使用を許可していたと明らかにした。
 メルセデスは、スペインGPの後にピレリと3日間に及ぶタイヤテストを行い、2013年仕様のマシンで1000kmにも及ぶ距離を走行した。このテストは、モナコGPの決勝前にようやく公になったため、これを問題視したフェラーリレッドブルFIAに対して正式な抗議文を提出、騒動に発展する事態となっている。
(中略)
 メルセデスは、今回のテストがFIAの了承を受けたものだったと述べているが、FIAは承認に関して条件があったことを示唆しており、チームが現行マシンを使用できるかどうかの問合せを、5月始めにピレリから受けていたと明らかにした。
ピレリが単独サプライヤーとしてFIAと交わした契約には、そうした機会をすべてのチームに提供する場合に限って、任意チームとの1000kmまでのテストを許可することができる」と、声明には記されている。
(後略)

全チームにって決められてるじゃん。
仮に決められていなくても、特定のチームにテストをさせれば問題になると思いつかないというのが、不思議です。
ワンメイクでタイヤを提供して、レースの一端を担っている意識が無いのでしょうか?


個人的には例え失敗作のタイヤであっても、シーズン中に直すべきでは無いと思います。そんな失敗作に真面目に合わせた車を作ったチームがあるわけですからね。
しかし、どうしてもタイヤを変更したい。それにはテストが必要。ならばFIA経由で全チームに連絡し、不公平感が無いように全チームでテストをするなどの方法があったはずです。


どう考えても、2年以上F1にいて、また、過去にもF1経験があり、メルセデスと行ったテストが全く問題ないと思っているなら、


相当なバカ


ですよ!


正直、今年のタイヤを見ていて残念な気分にはなっていましたし、ピレリの逆ギレ発言にも呆れていましたが、ここまで空気の読めないバカなメーカーだとは思っていませんでしたよ。

  • F1にワンメイクでタイヤを供給すると言うことはどういうことかわかっていないのか?
  • タイヤがどういう役割を果たしているのか理解しているのか?
  • ワンメイクにも関わらず、特定のチームだけにテストをさせたら問題が起こらないのか?


こんなことが理解できないサプライヤーなら、本当に、とっととF1から出ていって欲しいです。
GP2も辞めた方が良いです。
基本、理解が無いなら、レースに関わるべきで無いと思います。


ただ、ピレリ−がいなくなるとどうするのだ・・・。
ブリヂストンワンメイク時代に、クムホやハンコックなどの韓国勢がF1に参入したいというニュースがありました。
最近の状況を考えれば、ハンコックでしょうね。


うーん・・・ハンコック^^;


この際、理解度が欠落しているバカなピレリ−なら、ハンコックにお願いしても良いじゃ無いか、とも思います。


ピレリの契約は3年で今年が最終年ですが、なぜか未だに契約が更新されていないようです。もう時間が無いのにね。
FIAは裏でハンコックと契約しようとしているのか?
実はブリヂストンの復帰があるのか?
なんて期待していると・・・

ハンコック、来季F1参戦の可能性を否定
2013.06.03


 ハンコックが、2014年にF1にタイヤを供給する可能性を全面的に否定した。現在のサプライヤーピレリはまだ来季以降に関しF1との契約を結んでいない。
(後略)

ブリヂストン「F1復帰の計画はない」
2013.06.05


 ブリヂストンが、来年タイヤサプライヤーとしてF1に復帰する可能性を否定した。現在のサプライヤーピレリとF1の来季に向けた契約はまだ結ばれていない。
(後略)

続けざまに否定されました^^;


それにしても、ピレリには本当にF1から出ていって欲しい。
失敗や逆ギレは、まぁ、良いでしょう。
何度も言いますが、F1において、シーズン中に特定のチームと1000kmもテストして、問題なしと思うようなサプライヤーは、頭が相当におかしいです。


グッドイヤーでも良いから復帰しないですかね。
グッドイヤーの撤退はブリヂストンが参戦してタイヤ戦争が激化したからだと思います。
長いワンメイク時代を経験しているグッドイヤーなら受け入れてくれませんかね。