中国のパンダ保護区にブロードバンド

中国のパンダ保護区にブロードバンド
[ 2005年04月05日 02時00分 ]



[北京 3日 ロイター] 野生のパンダもハイテクに?四川省の霧深い山々の中にある中国最大の自然保護区に、ブロードバンドが導入された。中国最大の規模を誇る臥龍パンダ研究センターは、世界初のパンダ・インターネットカフェとなるのだろうか。
 「研究員たちは新技術のおかげで、自然保護区のあらゆる場所を常時カバーする写真やビデオ信号等のリアルタイムデータを処理したり、研究所から出ることなしにジャイアントパンダの赤ちゃんを日々観察したりすることができる」新華通信は伝える。
 「デジタル技術は臥龍と世界のコミュニケーションを変え、ジャイアントパンダ保護のための情報共有の助けとなるでしょう」パンダ保護研究センターの代表者、張和民さんは言う。
 「パンダの数を増やす助けになるというだけでなく、パンダが生活する環境をより効率的に整えることが可能になります」
 臥龍の自然保護区は1963年に設立され、20万ヘクタールの土地に76頭のジャイアントパンダが棲息している。ジャイアントパンダは現在、絶滅の危機に瀕している種のひとつで、四川省および北西の陝西省甘粛省におよそ1000匹が棲息すると推測されている。国の森林管理局が昨年発表した統計によれば、中国に棲息する野生パンダの数は1590匹で、1980年代の1110匹からは40%以上の上昇だ。世界各地の動物園や研究所にいるパンダは総計161匹だという。
 「数が増えているにもかかわらず、環境の破壊や繁殖率の低下などで、種の存続の危機は悪化している」新華通信は伝える。