corega APRS-11

corega APRS-11は、無線LANアクセスポイント + ブロードバンドルーターなのですが、普通のこれらの商品と違うのは、本体にPCカードスロットとシリアルコネクタが付いていて、PCカードスロットに、PCカード用(CF用+カードアダプタ)の@FreeDやAirH"のカードを差す、または、シリアルコネクタに外付けのモデムやTAを接続すると、ダイアルアップルーターとして機能します。

ちなみに、実際に私が購入したモノは以下のセット商品です。

以前からAPRS-11の存在は知ってはいたのですが、id:kzouさんにバッテリで動くことを教えていただき(id:kzou:20040520参照)、早速購入したと言う話は先日お話しました。
実際に使用してみると大きさを除けばとても良いモノです。バッテリ駆動させれば、簡単に言うとBTA-NW1やB-portIIの無線LAN版、と言うとです。Bluetoothの方が消費電力も少なく理想的なのですが、現実問題、Bluetooth対応の商品は少なく今後も急激な普及の見込みは考えにくいですが、無線LAN対応の商品は多くこれからもどんどん増えていく様子です。また、PDAで通信をする場合、CFスロットにCF用の@FreeDPHSのカードを差すことが多いですが、CFスロット搭載のPDAは本体も大きく、PDAの選択を狭めていきます。
APRS-11が良い感じで使えますので、今後、無線LANを内蔵しているPDAであれば通信が出来ますし、無線LANを内蔵していなくても、SDIO用無線LANもありますのでこれらを利用すれば良いかと思います。もちろん、AirH"にもSDIOに対応したカードはありますが、PDAによってPHSカードを買うのは経済的ではありませんからね。色々小物は買いますが、固定費がかかるものに対してはなかなか買えない私なんです。ですから、京ポンもなかなか買えないのですがね。(^^;
さて、この便利なAPRS-11ですが、使ってみると色々問題が多いです。

  • 設定を工場出荷状態に戻せない
    どうしてでしょうね。何かあったときに再設定する場合、1度工場出荷状態にしてから、自分が変更したところを直せばよいのですが、工場出荷状態にする方法が無くては困ります。ファームウェアのアップデーターに、アップデート後設定を工場出荷状態に初期化するか、以前の設定を引き継ぐか選べますが、アップデーターで初期化の作業だけ出来るようになっていれば便利だと思うのですが。と言うより、そんな機能ぐらい本体に付ければ良いのですけどね。
  • 有線LANの場合、自動発信しない
    なぜか自動発信の設定にしても有線LAN側からのアクセスでは自動発信しません。最初、設定を見直しましたが、理由がわからず、手動だと発信できるので、なぜかと思いましたが、無線LAN側からのアクセスだと、自動で発信します。
  • DHCPサーバーの機能でDNSサーバーアドレスが渡されない
    不具合といってしまうのは何ですが、初心者の方が使うには結構致命的です。クライアントのパソコンやPDAが、DHCPにてIPアドレスを自動取得する時にDNSサーバーのアドレスが設定されません。この状態では名前の解決が出来ませんのでURLを入力してホームページが見られません。
    標準の設定だと、プロパイダに接続した際にDHCPにより、IPアドレスDNSサーバーアドレス、ゲートウェイアドレス等を自動取得する設定になっています。こちらのページhttp://member.nifty.ne.jp/KIMAGURE/tungsten_c/tungsten.htmに、mopera接続時にPDA側でDNSサーバーアドレスを設定しないといけない、と書かれていますので、mopera側の問題(OCNがそうですが、接続時にDHCPIPアドレスは割り当ててくれるが、DNSサーバーアドレスは設定されていない)、だと思ったのですが、調べてみるとmoperaは接続時にDHCPにてDNSサーバーアドレスは正常に設定されます。
    結局、問題はAPRS-11側で、DHCPサーバーの設定で、DNSの設定を自動取得にしてあると、接続時にプロバイダよりDHCPにて設定されるDNSサーバーアドレスを、クライアントからIPアドレスの自動取得の要求あった場合にDNSサーバーアドレスをそのまま設定しようとするのですが、プロパイダに接続していない場合には、当然DNSサーバーアドレスは取得していませんから、この状態でクライアントから要求があった場合にはDNSサーバーアドレスをクライアントに渡せません。
    でも、普通に考えればAPRS-11が勝手に接続するわけは無く、クライアントがIPアドレスを自動取得して通信が出来るようになってから接続するわけで、この仕様だとDNSサーバーのアドレスはセットされていません。どうしてこんな仕様なのかまったく理解に苦しみます。一旦接続してしまえば良いので、どれかクライアント犠牲になれば、それ以降は問題ないということです。もしくはクライアント側で手動でIPアドレスを取得しなおすせば良いです。
    解決方法は、先ほどのページにも書いてあるように、プロパイダ指定のDNSサーバーアドレスをセットすれば良いのですが、調べてみると、APRS-11はDNSリレーをサポートしている(というか、普通はどのブロードバンドルーターならばサポートしていると思いますが)ので、APRS-11本体のIPアドレス(デフォルトは192.168.0.230)をDHCPサーバーのDNSの設定にそのままセットすれば、プロバイダが変わっても問題ありませんし、特にPDA側での設定も必要ありません。
  • 自動切断時間をいくつに設定すれば切断しなくなるのか不明
    とりあえず0秒で切れませんのでそれで良いと思いますが、マニュアルにもヘルプにも書かれていません。
  • 再起動が長すぎ
    電源を入れた時や再起動時に使えるようになるまでに時間がかかりすぎです。この起動時間からするとLinuxベースだと思いますが、それならば、もっとしっかり作りこんで欲しいです。

と言うわけで、コンセプトとしては非常に面白い商品ですし、そこに惹かれて購入したわけですが、ハッキリ言ってこんな状態でエンドユーザー向けに出荷してしまってよいのか不思議な製品です。というより、coregaさんは、こんなモノかもしれないでしょうけれど。