女性天皇・女系天皇

popopo_20042005-11-11

女性天皇女系天皇、の話題が出ています。有識者達はともかく、一般の方の女性天皇容認の方の意見って、以下のような方が多いのではないでしょうか?
愛子様かわいいねぇ。え? 愛子様って大きくなっても天皇にはなれないの? 男性しかなれないんだ。それって男女差別じゃない? 昔の日本はともかく、現代ではそういう男でないとダメってのは馴染まないし、開けた皇室とか言ってオープンな感じにしているのにどういうコト? 昔は女帝だっていたのに。愛子様天皇になってもいいんじゃん。女性天皇賛成!」
こんな感じでは?
以下、個人的な意見ですが、別に女性が天皇になってもいいですよ。中国などと違って(実際には1人いますけどね)日本では過去に数人の女性天皇が存在します。
この問題で、女性天皇ということと、女系天皇という言葉がなぜか一緒に扱われているのです。
本当にわかっていますか?
個人的には、別に皇室がなくなっても私の生活には特に影響が無いですが、国民の税金で皇室というものを維持していくのならば、女性が天皇になっても良いのでは? という国民の意見に耳を傾けることも重要だと思いますが、女系天皇を認めるのはどうかとも思うのですがいかがなものでしょう。
天皇っなんでしょう? 過去より実質的な日本の支配者だったかはともかく、日本の王家で万世一系なのです。実際には、初代神武天皇からずっと血がつながっているとは到底思えませんが、それでも、万世一系、という風に言われ続けているのは、昔からずっと天皇は血が続いているのですよ、ということがよりどころなのです。この血のつながりというのは、父系のつながりです。わかりやすく言えば、お父さんはずっと皇族だってことです。
別に、愛子様天皇になっても良いです。過去に女帝という実績があること、現在の感覚から言って女性が天皇に選ばれることに特に問題は無いと思います。では、この後どうすればよいですか? 愛子様がご結婚されるときに、民間からダンナ様を選んだとします。今の皇族のおかれた立場から言えば充分に可能性はありますよね。そうすると、その子供が天皇になるとしたら、ここで父系の血は絶たれるのです。愛子さんが大人になったときに愛子さんと年齢的にあう男性の皇族がいるとは思えませんし、仮にいたとしても、皇族なのだから皇族どうしで結婚してくださいよ、なんてことは時代にマッチしないでしょう。それこそ女性蔑視だと思います。そういう意味もあって女性天皇と女系天応をセットで考えているのかもしれません。つまり愛子様天皇にすると女系天応も認めないわけにはいかないのです。
先ほど言いましたが、極論としては皇室がどうなっても私にはどうでもいいです。極論を言えば無くなっても構いませんし、その皇室にかかっている税金をもっと有意義に使うべきかもしれません。しかし、例えば奈良の大仏というでっかい大仏がありますが、これを維持するのだって税金がかかっているのです。でも、日本の財政苦しいかってこれらの歴史的文化遺産を全て無視して他に使えば確かに良いのかもしれませんが、日本は食うかどうかに困るほどの国ではなく、やはり文化的なものとは別の次元で考えるべきでしょう。
正直なところ、皇室って、文化遺産みたいなものなのですよ。
誰でも良かったら、選挙や人気投票で次期天皇を選べばよいのです。キムタクだって、杉村大蔵議員だって、インターナショナルにヨン様だってよいのです。
でも、やっぱりそれは天皇ではないでしょ? 結局、天皇ってずっと血が繋がっていて昔からずっとっ続いてますよ、っていうことがあってこそ天皇のありがたみがあるのではないでしょうか?
皇室は、時代とともに、側室を廃止したり、民間から皇后様を選ばれたりとされています。私は良くわかりませんが、ひょっとすると伝統的な儀式が簡略化されていることもあるでしょう。
でも、天皇とは? という本質的な部分は、昔からずっとお父さんの血が繋がっている、ということです。これを壊してしまったら、ちょっと違いませんか? 私は、天皇はいなくても良いのですが、いる以上は、根本的な原則、父系で血が繋がっている、ということまで崩してしまったら、逆に税金を使ってまで維持しなくても良いのでは? とも思ってしまいますので、父系天皇というのは続けていくべきです。
そう考えると、愛子様天皇になるのは構いませんし、女性天皇を認めるのは賛成ですが、もし愛子様天皇になってしまうと、その後、父系天皇の存続のために、皇族との結婚を求めるようなそれこそ前時代的なことをするぐらいならば、他の方法、宮家を復活させるとか、他の方法を考えても良いと思います。


愛子様天皇として認めない=女性蔑視で前時代的
なんて考えるのは自由ですが、女性天皇・女系天応という違いぐらい考えて、その上でこれを認める、という意見であれば良いのですが、愛子様天皇になってもいいじゃん、という理由だけで賛成! みたいなことはどうかと思います。
ものごとは深く考えましょう。その上で出した意見なら良いのですけどね。


最後に怒られそうな(と思ったらよせばいいのに^^;)話を。



昔、日本にはトキという鳥がいました。江戸時代には江戸周辺にもいたそうです。ところが乱獲や自然破壊のため絶滅したと思われたのですが、昭和に入ると佐渡島でトキが確認されました。後に能登でも発見されます。
野生のトキはどじょうなどを食べるため、農薬などが原因で数を減らし、1981年には残っている野生のトキを全て捕獲し人工飼育することにしました。
しかし、残念ながら、最後のトキ「キン」は2003年に死んでしまいます。
この時点で日本のトキは全て絶滅してしまいました。
しかし、中国には日本のトキと同じ種類のトキがいて、中国より貰い受け、現在58匹と順調に繁殖しています。


「トキって絶滅しちゃったんだよね。でも、中国から貰ったトキは順調に増えてるんだ。良かった。でも、どちらもトキだし、今のトキに価値が無いといは思わないよ。しかし、やっぱり日本のトキが絶滅しちゃったのは残念! 中国のトキがいるからいいじゃん、ってモノじゃないよ。生物学的に同じだって言われても、やっぱり違うと思うし、日本のトキはやはり価値があるものだと思うからこそ、日本のトキが絶滅してしまったことは残念だな。」

当たり前ですが、現在、佐渡にいる中国のトキは税金によって飼育されています。
日本のトキも中国のトキも絶滅危惧種で希少なトリです。どちらも非常に大切な動物です。そういう観点からするとどちらのトキの価値観も違いは無いと思います。でも、日本のトキの価値は、そういう希少なトリ、という意味とは違う次元で価値があるのではないでしょうか? そうでなければ、わざわざ中国からトキを貰い受けて飼育することはないでしょうし、その理由が「希少なトリを助けよう!中国だけでなく日本でも飼育して協力しますよ!」ということではないと思うのですけどね。